2023 年 2 巻 1 号 p. 118-125
本研究では,付着物を除去せずに鋼矢板の板厚を計測することを目的に,極低周波磁気非破壊計測装置を開発した.初めに,極低周波磁気非破壊計測装置に対する錆の影響やリフトオフ量の影響を調べ,鋼矢板の計測に適した,100mm×100mmの正方形コイルを有する磁気センサプローブを開発した.そして,開発した磁気センサプローブを用いて,実鋼矢板の計測を行った.その結果,潜水士によるプロービングで計測した鋼矢板の板厚,機械アームによる陸上から計測した鋼矢板の板厚は,共に従来の付着物をケレンで除去して超音波計測による板厚とほぼ一致した.