2023 年 2 巻 1 号 p. 66-75
近年,土木構造物において老朽化施設の増加が懸念され,適切な維持管理が求められている.しかし,土木構造物のうち地方自治体とりわけ市町村管理道路の維持管理に着目すれば,舗装路面点検のために路面性状測定車などの高精度な手法はあるものの,点検費用が高額になることから,多くの地方自治体では定期点検が十分に行われていないのが現状である.そこで,筆者らは要補修個所のスクリーニングを行うために,一般乗用車にビデオカメラ,3次元モーションセンサを搭載した,低コストで簡易的に点検可能な舗装路面簡易評価システムを開発してきた.本研究は,このシステムの実用性および利便性向上のために走行映像やデータ管理手法に着眼し,走行映像を用いた変状自動抽出機能の開発や,マップシステムによるデータベース化を行い,舗装路面簡易評価システムの実践的研究を行ったものである.