2023 年 2 巻 1 号 p. 76-85
鉄道PC桁に施された5方式の電気防食工法について,導入20年経過後の防食効果と耐久性について調査を行った.モニタリングした電位と復極量の経時変化から,いずれの方式も防食効果を継続していることが確認されたが,内部鉄筋近傍の腐食環境の改善効果は方式によって違いが見られた.また,復極量を面状分布で評価した結果,チタングリッド方式のばらつきが大きく,基準復極量を満たさない箇所があることがわかった.チタン溶射方式では,陽極材被膜の剥離が確認されたことから,この影響について評価するとともに,発生原因について考察した.