2024 年 3 巻 1 号 p. 53-61
鉄道線路を新規に建設する際,鉄道車両が問題なく安全に走行できるように建築限界の確認が必要である.特に新幹線軌道においては,建設される延長が長くなることや限られた期間内に鉄道車両の走行に対する支障物がないことの確認が必要であり,測定の省力化および効率化が求められている.筆者らはこれまでの研究において,列車巡視を支援するため,営業列車等の車両前頭に設置したステレオカメラ等から取得した画像を解析し,建築限界等の支障物の有無や沿線の環境変化を自動で検出する線路周辺画像解析エンジンを開発してきた.そこで本論文では,本エンジンを用いた新幹線軌道における建築限界の確認を目的として,建設中の新幹線軌道の複数の区間において画像取得試験を行い,本エンジンによる建築限界支障検知の精度検証を行った.