抄録
山本・河原・大塚(2008)は、基礎レベルにおける継時的な画像-単語マッチング課題(SOAを1500ms、ISIを500msに固定)において、上位概念共有効果はプライムが単語でターゲットが画像の場合にのみ生じることを示した。本実験では、山本らと同じ画像及び単語刺激を用い、SOAを600ms、750ms、1000ms、1250msと系統的に変化させて、判断潜時への影響を検討した。その結果、上位概念共有効果は、(1)SOA=600msでは生起せず、(2)SOA=750msでは画像、単語の提示順序に関係せずに生起し、(3)SOA=1000ms以上ではプライムが単語でターゲットが画像の場合にのみ生起する傾向が見いだされた。