2025 年 4 巻 1 号 p. 115-123
実鉄道空間のセンシングデータと線路情報からなるサイバー空間の構築は,在来線の大半を占める土構造物(以下,土工等設備という)のメンテナンス業務における生産性向上に寄与する.本研究では,土工等設備の系統分類表を作成し,反射強度表示の三次元点群データを閲覧する方法で各種設備が識別可能かどうかを検証した.識別した設備には面・線構造に応じたポイント,ラインのベクターデータを生成し,共通表記の名称ラベルを付与した.このラベルデータは,時間軸において設備検査・維持管理の経時記録と現在,次の計測データをつなぐ役割に加え,顕著な異常領域の情報可視化やキロ程と同じ固有識別情報としてコミュニケーションの円滑化にも役立つと期待する.