2025 年 4 巻 1 号 p. 249-257
建築物を適切に維持管理するためには,その建築物に備えられた施設や設備についての情報を把握することが必要であり,これには設計図書が必要とされる.しかし,設計図書が保管されていない建築物が多く存在することや法定の15年を超えた場合に設計図書が破棄される可能性があることに課題がある.本研究では,設計図書のない既存建築物の維持管理に資するために,地上型レーザスキャナやカメラなどを用いて作成した点群データを元に3次元モデルを構築し,それに属性情報を付与してBIMデータを構築した.そして,維持管理業務に係わる点検者と管理者間でデータの連携と共有を実現にするために,IFCデータを用いる活用方法を提案した.