2026 年 5 巻 1 号 p. 191-198
大田区が管理する橋梁は感潮河川に架設されたものが多く,より確実で予防的なメンテナンスの実現が求められている.そこで,鉄筋腐食をより初期の段階から検出することを目的として,レイリー波速度を測定する衝撃弾性波法の新しい試験方法を考案した.塩害が懸念される実構造物でこの試験方法を適用し,コア削孔による内部鉄筋の腐食状況との比較を行った.さらに,2次元弾性体波動方程式に基づく数値解析により,コンクリート内部に空隙が存在する状況を模擬し,空隙の存在により測定値が変動するメカニズムを検証した.その結果,コンクリート内部に空隙が存在すると,健全部とは異なる振動が受信点に混入し,これにより位相スペクトルが変化し,最終的にレイリー波速度の測定値が健全部とは乖離することが確認された.