抄録
本研究の目的は, 新しい締固め方法を開発するため, 建設車両用タイヤを用いた転圧実験結果より, 厚層におけるまさ土の面荷重とせん断応力による転圧機構を考察するとともに, その締固め効果について検討することである. その結果, 建設車両用タイヤによる転圧は空気圧と軸荷重の組合せによって深層部まで応力伝播が可能であることがわかった. 重ダンプトラックの複輪構造によって圧力球根が深層部に到達することが推定された. また, 建設車両用タイヤの特徴である走行に伴う地盤変形によるせん断応力の発生によって土のダイレイタンシー効果を発生させ, まき出し全層にわたって有効な締固めが達成されている.