2006 年 62 巻 2 号 p. 337-344
本研究では,直線状の亀裂を含む周辺単純支持された長方形板のたわみ振動の固有周期を求めるための解析法を提案している.得られた解の特徴は,亀裂線上に沿ってたわみ(あるいはたわみ角)のみが有限項のフーリエ正弦級数状態のギャップを持ち,他は連続する特殊な板の理論解を導いたことである.その上,亀裂先端には,開口と断面力が共存するするプロセスゾーン相当部分も構成した.
数値解析例として,既往の研究成果による固有周期の比較を行い,本研究の有効性を検証している.さらに,たわみ曲面や亀裂線上の断面力 [Mx(y), Rx(y)] を図示し,亀裂位置の移動による基本周期の変化状況も提示している.