土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
ISSN-L : 1880-6023
和文報告
海溝型地震の震源近傍における強震動の評価事例
野津 厚宮島 正悟中西 豪山田 雅行
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 62 巻 4 号 p. 877-890

詳細
抄録

 想定東海地震のような,陸地の極近傍で発生する海溝型の巨大地震による震源近傍の強震動については,強震記録が存在しないため,不明な点が多い.本研究では,経験的サイト増幅・位相特性を考慮した統計的グリーン関数法により,想定東海地震の震源近傍における強震動の評価を実施している.強震動の評価に必要なサイト増幅特性はスペクトルインバージョンにより推定し,2001年4月3日静岡県中部の地震(MJ5.3)の強震記録を利用して強震動評価手法の妥当性を検証した上で,想定東海地震に対する強震動評価を実施している.その結果,震源近傍における地震動はサイト増幅特性に大きく依存し,サイト増幅特性の特に大きい場所では,1995年兵庫県南部地震の観測波を上回る地震動も想定されることがわかった.

著者関連情報
© 2006 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top