抄録
近年,強震動による免震システムの過大な応答変位が,免震装置の損傷や免震システムのクリアランス確保の観点から問題視されている.最近では回転慣性を利用した免震装置が幾つか提案されており,免震システムの変位応答を抑制するものとして注目されている.しかし,変位応答を抑制することで免震効果が低減するなど解決すべき問題が残る.そこで本研究では,回転慣性と摩擦スライダーを直列に配した新しい機構を提案し,その基本特性を解析的に明らかにした.その結果,回転慣性機構の特長である低振動数側の応答低減によって効率的に応答変位を低下できること,また摩擦スライダーによる機構変換によって,高振動数側では従来の免震効果を保持できることが明らかとなった.