2008 年 64 巻 4 号 p. 831-840
建設コスト縮減のために,連続合成桁が見直され,様々な開発・研究が行われている.それらの設計・施工においては,床版の耐久性を向上するために,中間支点上の橋軸方向プレストレス導入を目的としたジャッキアップダウン工法や,内・外PC 鋼材を用いたプレストレス導入工法が主流となっている.しかしながら,これらの工法では,使用限界状態が改善されるものの,終局限界状態における耐荷力は全く,または,ほとんど改善され得ない.そこで,加熱した補強鋼板を鋼桁に高力ボルトで取り付け,鋼桁を補強すると同時にプレストレス力を導入する熱プレストレス工法によって,使用限界状態と同時に,終局限界状態の耐荷力を向上させる研究を試みた.本稿では,その実験,および解析結果を報告するものである.