2009 年 65 巻 3 号 p. 814-824
構造物の動的応答のアクティブ・セミアクティブ制御の問題において,絶対応答の低減を目標とする制御則として提案されているものに,スカイフック制御と負剛性制御がある.スカイフック制御則に基づき制御された制震デバイスの挙動には負の剛性が見られることがあるが,従来はこのような負剛性の値および効果の定量的な評価や制御則間の関連性等については論じられていなかった.本研究では,スカイフック制御と負剛性制御の間の近似関係を利用して制御間の対応パラメータ関係を求め,スカイフック制御に現れる見かけの負剛性の評価を行うとともに,負剛性制御における最適パラメータの算出法を提案した.また,実地震波入力を用いて,対応パラメータ関係の妥当性を検討した.