土木学会論文集D1(景観・デザイン)
Online ISSN : 2185-6524
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和文論文
領域の変化と景観の時間的奥行きからみた現代の集落空間の特徴―山梨県南都留郡山中湖村山中区を対象として―
福島 秀哉
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2020 年 76 巻 1 号 p. 74-93

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抄録

 地域の社会と空間に関わる共同体的特徴や歴史的地域特性からみた現代の集落空間の特徴の把握と,公共事業や景観施策の各計画への反映は重要な課題である.本研究は近世集落から観光地へと発展し,現在も断片的・潜在的な歴史的地域特性が残る山中湖村山中区を対象に,地域社会と集落空間の変容過程とその歴史的特徴を明らかにし,計画論に反映可能な現代の集落空間の特徴として示すことを目的とする.近世から高度経済成長期までの環境,生業,地域社会,集落空間の関係の変化を,本拠領域の成立から衰退までの変化として記述した.また現代の集落空間の特徴として,集落中心部居住域における景観の時間的奥行き,歴史的施設の立地,伝統行事の継承,歴史的意味等の空間的特徴の重なりを指摘し,現在の諸計画に示されている地域特性との関係性を示した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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