2014 年 70 巻 2 号 p. I_25-I_32
本研究では,円筒状のナノ炭素物質であるカーボンナノチューブについて,一定圧力作用時に発生が予想された特異な座屈変形モードを分子動力学法で再現することを目的とする.特に径が小さく原子数が少ない場合の解析を実施し,薄肉円筒シェル理論により得られた臨界座屈荷重との比較を行うことにより,円筒シェル理論の適用性についても言及する.さらに,一定圧力下での単層および多層カーボンナノチューブの座屈挙動を原子レベルで検証し,円筒シェル理論では解析できない座屈後の大変形挙動を追跡する.