抄録
下界定理に基づく剛塑性有限要素解析において,通常の三角形要素内で一定の応力場を仮定した場合,ロッキングが生じ崩壊荷重を実際よりも大きく見積もるという問題がある.ロッキングを回避するため,節点ベース要素の適用が考えられるが,問題の設定によっては崩壊メカニズムが正しく求められないことがある.そこで,本研究では新たに辺ベース要素の適用を試み,その有効性を検証した.数値解析例として,4つの問題を解き,通常の三角形要素,節点ベース要素,辺ベース要素によって得られる解析結果を比較した.その結果,辺ベース要素を用いた場合,拘束の強い問題においてはロッキングが生じるが,それ以外の問題では適用可能であることが分かった.