抄録
本研究では,3次元固気液多相場の解法(MICS)を用いて,水滴落下により生ずる個々の砂粒子の運動の数値計算を行った.本計算手法では,流体と砂粒子間の力学相互作用と砂粒子間の接触力が考慮されている.水滴の落下速度を変化させて,約3万個の砂粒子から構成される砂粒子群の挙動を計算した結果,既往の実験結果と同様に,水滴の運動量が増加するにつれて砂粒子の再配置によるくぼみ領域の体積が増大することを確認した.さらに,水滴形状を実験条件に近い回転楕円体とした場合には,くぼみ領域の体積が減少して実験結果に近づくことを確認した.最後に,並列化効率を調べた結果,400並列の計算速度は,25並列の場合の約8倍となり,本計算手法は多数の砂粒子の運動を計算する大規模計算に対して有効であることを示した.