抄録
断層深部での最初のずれのエネルギーが断層面の摩擦による仕事に変換されるという,エネルギー保存の観点からみた断層変位の基本メカニズムに基づき,本研究では,断層変位の数値解析のために,ジョイント要素を厳密に導出し,時間積分としてエネルギー保存を満たすシンプレクティック積分を適用した.具体的な成果として,断層面のラグランジアンの変分から3次元ジョイント要素を定式化し,従来用いられるジョイント要素と数値実験による比較を行うことでその有効性を示した.また,数値実験によってシンプレクティック積分の有効性を示した.