抄録
石造文化財の力学挙動の把握を目的として離散体の数値解析法の適用が進んでいる.しかし,地盤上に建造された石積構造物の安定性を評価するには,石材の離散的挙動に加え,地盤内の変形・浸透現象をも考慮する必要がある.例えばカンボジアのアンコール遺跡では,盛土上に築造された石積構造物が雨水浸潤による強度低下で変状をきたした事例が多く見られ,安定性評価法の確立が求められている.そこで本研究では,著者らが地盤-石積構造物系の相互作用問題を対象に開発してきたマニフォールド法-不連続変形法連成解析(NMM-DDA)をベースに,不飽和地盤を対象とした簡易三相系の土-水連成解析に拡張した.開発手法は模型実験や理論解の再現解析により検証し,石積構造物基礎への浸透問題に適用した.