2017 年 73 巻 2 号 p. I_439-I_446
本論文では,鉄筋コンクリートに発生する内部ひび割れの形状や開口幅を計測することが可能な試験体および試験方法を提案し,その妥当性を検証する.提案する試験体は,鉄筋を一部露出させることで,鉄筋近傍に発生する内部ひび割れの直接計測が行えるRCはりである.はじめに,ひび割れの3次元幾何形状を再現できる数値解析を用いて,提案する試験体において内部ひび割れが適切に発生することを検証する.次に,実際に作成した試験体に対して載荷実験を行い,デジタル画像相関法を用いてひずみ分布を計測し,試験体に発生したひび割れを可視化する.そして,画像相関法により計測したひび割れと数値解析により再現したひび割れを比較することで,提案する試験体および試験方法により,内部ひび割れの可視化が可能であることを示す.