抄録
静水中を多数の粒子が一様に沈降する系における粒子形状の影響を2次元数値実験によって検討した.本報は,楕円粒子を対象としてそのアスペクト比の影響を検討した前報(土木学会論文集A2, 71(2), I_719, 2015)の発展と位置づけられ,矩形粒子を検討対象に加え,より一般的な知見の獲得を目指した.沈降開始直後には,粒子の初期配置によっては特異な沈降挙動が認められるものの,これは粒子形状に対する球形仮定の有効性を大きく損なうものではない.他方で終端沈降挙動については,粒子形状やアスペクト比の違いの影響は,多数の粒子が同時に沈降する,より現実的な系では和らぐものの,依然として真円粒子の終端沈降速度は他のケースと比べて有意な差異を示し,球形仮定の適用性に注意が促された.