抄録
北陸地方の既設橋の鋼桁端部は,伸縮装置からの漏水等の影響で局部的に腐食し,鋼材が減肉している場合がある.本研究では,ウエブ振動モードを用いた点検手法を目指すため,実構造物の鋼桁端部の一部をモデル化し,腐食範囲および減肉量を変化させて固有振動解析(以下,振動解析)を行い,それらが変化した場合の振動数と振動モード形の影響を調べた.なお,腐食部を模擬した試験体を製作して振動計測を行い,検出可能な振動数と振動モード形の確認,ウエブ板厚や腐食範囲による影響,解析値の妥当性の確認,および現地計測の際に効率よく点検する計測方法を検討した.さらに,こられの検討結果を踏まえ,鋼桁端部腐食に対してウエブ振動に着目した振動モードを用いた点検手法を提案した.