2017 年 73 巻 2 号 p. I_769-I_780
本検討では,スーパーコンピュータ「京」を用いることで,長大斜張橋の非線形領域における挙動を求めるという大規模計算を行った.本解析では,大規模計算が正しく計算を実行できているのか,非線形領域の挙動を追うことができる高度化した構造要素モデルを用いれば,そのモデル化を用いた部位で想定のとおり非線形挙動を示すのか,などを確認することを目的に,兵庫県南部地震において大きな被災を受けた長大斜張橋を解析対象として計算を行った.実被害状況と計算結果の比較を通して,大規模計算自体が正確に行われていること,高度化した構造要素モデルを用いた部位で被災状況を概ね計算で再現できていることを確認した.本稿では,本解析で実施した大規模解析の内容,解析結果の検証内容について述べる.