2017 年 73 巻 2 号 p. I_801-I_812
高度経済成長期に全国で大量に整備された道路橋の経年劣化により,耐久性能の低下が社会問題となっている.それらを適切に評価することは維持管理や想定される大規模な地震に対して必要な耐震性能を把握する上で非常に重要である.本研究では,単柱RC橋脚を対象とし道路橋示方書耐震設計編(H24年版)で耐震設計を行い,柱基部でのM-θ関係を用いた回転1自由度系(近似,厳密(P-Δ効果考慮))の絶対応答加速度波形のウェーブレット変換から,残留変位に着目し,変位及びウェーブレット係数の増分の相関性をパルス地震動ごとに分析した.そして,時間軸上でウェーブレット係数と構造物の損傷の相関性を調べるために,時刻歴SI値及び時刻歴FSI値との関係を検討した.