土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.20(特集)
車両応答分析を用いた橋梁損傷検知手法における車両特性の影響
二出川 真石川 幹生高橋 悠太山本 亨輔
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_831-I_841

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抄録

本研究では,経済性,効率性に優れた橋梁点検手法を実現するために,車両応答分析による橋梁スクリーニングを提案する.車両応答分析とは,車両で橋梁上を走行した際の振動から,橋梁の損傷を検知する手法である.既往の研究では,橋梁損傷検知指標としてSSMA(Spatial Singular Mode Angle:空間特異モード角)の有効性が示されている.しかし,SSMAは路面凹凸や車両自身の振動特性など,橋梁損傷以外の要因にも影響を受ける.このことが実用化における課題となっていた.本研究では,これらの課題のうち,特に車両特性がSSMAに与える影響を明らかにする.検討に当たり,三次元空間内にトラス橋と車両数値モデルを作成し,VBI(Vehicle-Bridge Interaction:車両-橋梁相互作用)システムモデルを用いた数値計算プログラムを作成した.車両特性を様々に変化させて検討した結果,特に重量の影響が橋梁損傷により変化することがわかった.これより軽重の異なる車両を用いてSSMAを比較することで,橋梁損傷検知ができる可能性が示唆された.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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