2018 年 74 巻 2 号 p. I_671-I_681
鉄道橋の設計基準においては,従来より許容応力度設計法が用いられてきたが,平成4年に限界状態設計法,平成21年に性能照査型設計体系が導入され,設計手法の合理化が図られている.近年,更なるコスト縮減が求められているなか,鋼・合成標準示方書や複合構造標準示方書において採用されているAASHTOやEurocodeによる断面分類(コンパクト断面,ノンコンパクト断面,スレンダー断面)を行い,断面強度を算定する設計手法が注目されている.そこで本研究では,この新たな設計手法を鉄道用合成桁に適用した場合の合理化効果を検証する目的で試設計および有限要素法解析による検討を行い,約1割程度の鋼重軽減の可能性を示した.