2019 年 75 巻 2 号 p. I_145-I_153
鉄道橋りょうにおいては,鉄道システムを構成する要素として軌道部材や高欄等の非構造部材が付帯しており,これら非構造部材が主構造剛性や動的応答に大きな影響を及ぼすが,影響度やメカニズムは十分に明らかにされていない.本論文では,鉄道橋りょう区間で多く用いられる一般的な桁を対象として,非構造部材および伸縮目地が振動特性に及ぼす影響度を評価した.有限要素解析により,非構造部材による主構造の固有振動数の増加率は非構造部材の種類によって異なり,路盤コンクリート,軌道スラブ,レールは影響度が大きいこと,主構造の固有振動数は影響度の大きい路盤コンクリートの剛性により,スパンが 10m の桁の場合は 30~50%増加する一方,スパンが 22m 以上の桁の場合は 10%程度の増加であること,伸縮目地の影響で主構造剛性に対する寄与が 15~25%程度低下することが明らかとなった.