2019 年 75 巻 2 号 p. I_155-I_164
大地震によるため池の災害は,ため池堤体が決壊するまでの時間が短い傾向があり避難が困難となる.防災上重要なため池から優先的に補強工事が実施される一方で,経験則と 2 次元数値解析に基づくハザードマップ情報を防災に活用することも重要とされている.近年では,コンピュータ計算能力の向上により大規模な数値シミュレーションが可能となってきたことから,本研究では,従来の手法よりも詳細な情報が得られる 3 次元的解析手法を提案した.まず,高精細な有限要素を用いた 3 次元非線形地震応答解析を実施し,ため池堤体の損壊箇所と規模を推定した.次に,地震応答解析の結果を洪水解析のモデルに取り込み,地形および建物を含む 3 次元洪水解析を実施し,その数値情報を利用して家屋の崩壊を判定した.3 次元非線形地震応答解析と 3 次元洪水解析とを統合する手法によって災害リスクを評価する解析技術の適用方法を示した.