土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.22(特集)
局所弾塑性応答に基づく鋼材の疲労き裂発生および伝播寿命評価
堤 成一郎長濱 啓和Riccardo Fincato
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_445-I_453

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抄録

疲労損傷過程は一般に,き裂発生とその後の伝播段階に分けて議論され,疲労き裂進展の駆動力としては応力拡大係数やJ 積分を採用することが多い.疲労き裂発生寿命の評価手法は様々提案されているが,著者らは近年,繰返し硬軟化挙動を再現可能な材料モデルを採用した弾塑性 FEM 解析を活用する疲労き裂発生寿命評価手法を提案している.材料の弾塑性応答に強く依存する疲労き裂の発生とその後の進展抵抗を同じ数値解析的枠組みで評価できれば,複雑な荷重履歴や疲労き裂先端の開閉口挙動,き裂面接触摩擦挙動など,疲労損傷過程の詳細なメカニズムの理解に有益であると考える.そこで本研究では,疲労き裂発生寿命評価手法を拡張することにより,疲労き裂伝播挙動を評価可能な手法を提案し,実験結果との比較によりその予測精度等に関して考察を行った.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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