2020 年 76 巻 1 号 p. 38-47
本論文では,メゾスケールにおけるコンクリートの破壊挙動を再現することを目的として,界面での脆弱性を考慮した損傷モデルを定式化し,それを用いた破壊シミュレーションの妥当性および有効性を示す.提案手法の特徴は,材料境界に沿ってメッシュ生成を行う必要がなく,要素内における各材料の体積率を用いて,脆弱な界面を有する非均質材料の破壊挙動を再現できることである.数値解析例において,まず1次元問題を対象に,定式化の妥当性を検証する.次に,2次元問題を対象に,コンクリートのイメージベース解析に提案手法を適用し,メゾスケールの破壊挙動を再現できることを示す.最後に,コンクリートの3次元メゾスケール解析に提案手法を応用し,実験と同様の荷重−変位応答および破壊挙動を再現可能であることを示す.