土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
76 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
和文論文
  • 中川 英則
    2020 年 76 巻 1 号 p. 7-21
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル 認証あり

     非線形確率有限要素法における課題の1つとして,平均値は上手く追えても確率的な分散を正確に追うことは難しい点が挙げられる.NISP法(Non-Intrusive Spectral Projection method)をIntrusiveスペクトル確率有限要素法(Intrusive SSFEM)のアルゴリズムの一部に取り込んだNISP確率有限要素法(NISP-SFEM)は,それを解決するために考案された手法である.

     本論文では,拡張したNISP-SFEMを用いて,降伏応力が確率的に変動する弾塑性体の両端に変位を徐々に加えていく単純引張り問題を準静的な有限変形の範囲で扱っている.安定領域,不安定領域において応力の確率的な変動が正確に追えているかという点について,内力‐公称ひずみ曲線の確率変動を通じた検証を行っている.また,モンテカルロ法との比較を通してNISP-SFEMの数値的な検証を行っている.

  • 宮本 崇, Zheng Shitao , 阿部 雅人, 岩波 越
    2020 年 76 巻 1 号 p. 22-37
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/20
    ジャーナル 認証あり

     センシング技術とデータ解析手法の発展を背景に,深層学習を代表としたデータ駆動型アプローチの適用が土木工学分野において進んでいるが,計算過程に対する解釈性や物理的な知見の反映の余地など,現象の解析・予測のために求められる課題も顕在化している.本稿では,動的現象に対する数理モデル・データ駆動の統合型アプローチであるクープマン作用素解析の方法論を概説し,数値実験の下でその有効性を示す.また,データ駆動型手法による予測精度の向上が期待されている降水短期予測の問題において同手法の適用を試みる.適用においては,過渡的な現象への適用が原理的に困難であったクープマン作用素解析の性質を考慮して,運動学的解析とクープマン作用素解析の混成による新たな解析手法を提案し,その有効性について検討を行う.

  • 加藤 匠, 龍頭 正幸, 車谷 麻緒
    2020 年 76 巻 1 号 p. 38-47
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/20
    ジャーナル 認証あり

     本論文では,メゾスケールにおけるコンクリートの破壊挙動を再現することを目的として,界面での脆弱性を考慮した損傷モデルを定式化し,それを用いた破壊シミュレーションの妥当性および有効性を示す.提案手法の特徴は,材料境界に沿ってメッシュ生成を行う必要がなく,要素内における各材料の体積率を用いて,脆弱な界面を有する非均質材料の破壊挙動を再現できることである.数値解析例において,まず1次元問題を対象に,定式化の妥当性を検証する.次に,2次元問題を対象に,コンクリートのイメージベース解析に提案手法を適用し,メゾスケールの破壊挙動を再現できることを示す.最後に,コンクリートの3次元メゾスケール解析に提案手法を応用し,実験と同様の荷重−変位応答および破壊挙動を再現可能であることを示す.

  • 森近 翔伍, 関屋 英彦, 田井 政行, 高木 真人, 丸山 收, 三木 千壽
    2020 年 76 巻 1 号 p. 48-57
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

     疲労き裂に対する補修・補強を行う際,発見したき裂の大きさ,特に深さを把握することが重要である.き裂先端近傍の応力分布の強さを示す物理量である応力拡大係数(K値)は,き裂深さの情報を含むため,現場にて簡易にK値を推定出来れば,推定したK値からき裂深さの推定が可能である.

     そこで本研究では,き裂先端のひずみ分布に基づく非貫通き裂に対するK値の推定方法と,推定したK値による,き裂深さの推定手法について検討した.初めに,き裂形状および鋼板寸法をパラメーターとした数値解析を実施し,K値に基づくき裂深さの推定手法を提案した.次に,提案手法の実用性を検証するため,引張試験片による疲労試験を実施した.その結果,き裂形状に依らず,誤差28%以内の精度にて,非貫通き裂のき裂深さの推定ができる可能性を示した.

  • 渡辺 力
    2020 年 76 巻 1 号 p. 58-74
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/20
    ジャーナル 認証あり

     改良ZIG-ZAG理論とLayer-wise理論を融合したRegion-wise ZIG-ZAG理論を提案する.この理論では,積層構造を板厚方向に幾つかの領域に分け,その領域境界と領域内部に自由度を持たせる.領域内部のZIG-ZAG変位を効率的に表すために高次の改良ZIG-ZAG理論を用いる.これにより,剥離解析に必要な剥離変位の導入や複合材料と等方性材料からなる構造への適用が容易となり,未知自由度数はLayer-wise理論に比べかなり少なくなる.異方性積層板とサンドイッチ板の曲げ解析により,この理論の精度と適用性が検証されている.

  • 北原 優, Matteo BROGGI , Michael BEER
    2020 年 76 巻 1 号 p. 75-86
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/20
    ジャーナル 認証あり

     既存橋梁の運用において,構造状態を反映した確率論的な耐震性能評価の重要性が認識されるようになり,効率的な構造信頼性解析手法の確立が必要となっている.本研究では,自動的に限界状態面近傍のサンプルを選択して代替モデルを構築する適応型クリギングと,破壊確率の算定に影響の大きい部分空間を段階的に絞り込むマルコフ連鎖モンテカルロ法を組み合わせることで,効率的に破壊確率を算定するAK-MCMC法について検討を行った.動的非線形問題への拡張を目的に,既往手法で構築した代替モデルを用いたSubset法による破壊確率の算出方法を提案し,経年劣化を考慮した免震橋梁の耐震性能評価への適用性を検討した.結果として,本手法は破壊確率の大きさが異なる健全時と劣化時いずれにも低計算負荷で耐震性能評価に適用可能なことを明らかにした.

和文ノート
  • 金 秉洙, 加藤 正司, Seong-Wan PARK , 竹下 祐二
    2020 年 76 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/20
    ジャーナル フリー

     本研究では,数種類の砂質土試料を用いて行った一面せん断試験結果から提案された,上下せん断箱間の隙間幅設定の基準となると考えられるスレスホルドライン(TL)の有効性を個別要素法(DEM)により検討した.平均粒径および粒度が異なる4種類の試料を作製して一面せん断試験の状況をDEMにより再現し,試験時の隙間幅の大きさを変化させたシミュレーションを行った.その結果,DEMシミュレーションにより得られたスレスホルドポイント(T.P)はTLに比べて最大差が0.17mm程度となり,実材料実験より得られたTLとほぼ同様な傾向を示すことが分かった.今回の結果および過去の検討結果から,TLは試料の平均粒径および粒度の影響を受けない傾向があり,一面せん断試験でのせん断箱の隙間幅設定において有効な指標となる可能性があることが示唆された.

feedback
Top