2020 年 76 巻 2 号 p. I_131-I_141
ニュートン流体である高粘性液体を鉛直下方に流入させて,上面に開口部を有する 2 次元矩形容器内に充填する数値計算を行った.周囲の低粘性気体を同時に計算するため,密度と粘性の異なる 2 つの非圧縮性流体に対する相平均モデルを利用し,これをコロケート格子有限体積法で離散化した.特に,計算セル境界における粘性係数,密度および流速の平均化手法に考察を加え,ダムブレイク問題を通じてその有効性を確認した.提案された計算手法を用いて,高さ H の矩形容器に幅 d の上部流入口から高粘性液体を充填する問題を計算した結果,高粘性液体のレイノルズ数 Re と H/d の条件により発生する,steady filling, spreading, splashing, buckling という異なるフローパターンが既往研究と同様に再現されることを示した.