土木学会論文集A2(応用力学)
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和文論文
透過型砂防堰堤に作用する流木混じり土石流荷重の検討
堀口 俊行合田 明弘嶋川 理山田 正
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_325-I_336

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抄録

近年,流木混じり土石流の災害事例が多く報告されている.その防災対策として,透過部を有する鋼製砂防堰堤が設置されている.そのため,流木との混合状態における土石流荷重を推定する手法が望まれる.さらに,分級現象によって土石流の先頭部に流木が集中することで,土石流荷重が流木の緩衝効果によって低減されると言われており,そのメカニズムについて解析的な検討が求められている.そこで本研究は,個別要素法を用いて流木混じり土石流の再現解析を行い,その荷重推定法について検討したものである.その結果,流木が流下とともに土石流の先頭部に集中することや,接触力分布図や速度ベクトル図を用いることで土石流内部や堰堤周りの接触力の伝達メカニズムについて可視化し,流木の効果によって荷重が低減していることを示した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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