2021 年 77 巻 1 号 p. 12-20
土木構造物の非線形地震応答解析の品質と信頼性を保証する枠組みは他分野ほど示されていない.数値解析の品質保証には,検証と妥当性確認がある.検証は非線形の問題では難しく,解析の品質保証の観点からは,主として,妥当性確認が多く行われてきた.本研究では,多重せん断機構モデルを導入した解析コードを用いて,杭の支持力モデルを対象に堀らの提唱する数値創成解の考え方を用いた検証の事例を紹介する.まず,杭の押込み試験の数値解析を行った.その際,杭頭への載荷を強制変位と強制荷重による載荷の2通りを実施し,検証が困難な事例と可能な事例を示した.次に,杭の繰返し載荷の数値解析に対して検討を実施し,強制変位と強制荷重による載荷が一致することを示し,杭の支持力モデルに関して解析コードの検証の検討を実施することができた.