土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.24(特集)
井桁状まくらぎ敷設軌道のための車輪・軌道系連成振動解析法
紅露 一寛河野 昭子阿部 和久
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_239-I_249

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抄録

レール継目部に井桁状まくらぎを敷設した軌道系の振動応答の評価を目的として,車輪・軌道系の振動解析法の構築を試みた.本研究では直線軌道にレール継目が存在する場合を対象に,既存のはり・ばね・質点系の車輪・軌道系連成解析手法に,井桁状まくらぎとその支持部の振動応答モデルを構築・実装した.井桁状まくらぎの振動モデルには,変断面はりモデルと 3 次元動弾性モデルの 2 種類を考え,その振動モデルの選択が軌道各部の動的応答,特に車輪・レール接触力,レール・まくらぎ間作用力,まくらぎ上面鉛直加速度の解析結果に及ぼす影響を検討した.その結果,継目下手側レールと車輪との接触力は,最大荷重発生のタイミング,および最大荷重の大きさにはさほど大きな違いが認められないが,最大荷重発生後の接触力は 3 次元モデルの方が長周期で変動し,振幅の減衰も緩やかである.また,井桁状まくらぎを支持するバラスト道床の動的応答を考慮するにあたり,弾性床支持モデルと 2 次元動弾性モデルの 2 種類の選択が振動解析結果に及ぼす影響についても検討した.その結果,車輪・レール接触力,レール・まくらぎ間作用力,まくらぎ加速度のいずれについても,井桁状まくらぎの支持部のモデル化の影響はほとんど認められないことがわかった.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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