本研究では,まず透水係数が不均一に分布する場において,散水条件および段階的湛水条件の鉛直浸透実験を行った.実験では,土壌水分の変化を測定するためにプリント基板製のプローブ(PCBP)を用いたTDR法による測定と,実験装置の全体的な水分分布を把握するためにデジタルカメラ写真を用いた画像解析を行った.続いて室内実験の水と空気の詳細な挙動を把握するため,飽和-不飽和浸透流解析と気液2 相流解析による数値シミュレーションを行った.その結果,段階的湛水実験においては,湛水のタイミングに対応した土壌水分の鋭敏な反応が確認された.また数値解析では,2つの解析手法の明確な違いは表れなかったが,ヒステリシスを考慮することによって,段階的湛水実験の特徴をより正しく再現可能であることを明らかにした.