2023 年 9 巻 2 号 p. A_145-A_151
本研究は、道路交通法で義務付けられている駐車場の出入口における一時停止の遵守率の低さに着目し、その実態を明らかにするとともに、法律遵守による走行が想定される自動運転車が普及し、一時停止率が向上した場合の道路交通流への影響についてミクロ交通流シミュレータを用いて検討した。その結果、現状では多くの出入口で一時停止の遵守率は低い一方で、大部分の入出庫車両は徐行で通過している点を明らかにした。また、自動運転車の普及を考慮したミクロ交通流シミュレーションを行った結果、自動運転車が普及し、一時停止率が向上するほど、直進車両の遅れ時間が増加することを明らかにした。また一時停止だけでなく、歩行者交通量との関係によっては、遅れ時間が増加することが明らかになり、駐車場出入口における事前の検討の必要性を示した。