2019 年 75 巻 2 号 p. II_62-II_70
建設工事や建設物から条件に適合するものを抽出する作業に,ルーチン業務で生成される情報を活用し,さらに自動分類できれば,データベースの構築や人手での分類に比べて格段に効率が向上する.本報告は,活用する情報として工事発注資料を取り上げ,各ページの種別をCNN(畳み込みニューラルネットワーク)によって8つのクラスに自動分類した実験の成果と評価を示すものである.実験により,静岡県の一般的な土木工事の発注資料から,入札公告または実施設計書表紙を抽出して工事の概要を得ることは,クラス当たり50の教師データにより可能であり,データ数の増加によって分類性能は向上した.本報告は,道路地図の更新のために収集した工事発注資料を対象とした実験であるが,電子納品などによる一般的な工事成果品へも応用が期待できる.