抄録
本研究は,岐阜大学の研究グループが,岐阜県と共同で進めている「社会基盤施設アセット総合マネジメント」プロジェクトの一環を成すものであり,岐阜県飛騨圏域の道路斜面の落石を対象として構築したリスクマネジメントプロトタイプについて報告するものである.落石発生確率は,岐阜県が管理する対象地域内の約3000箇所の道路斜面の防災点検結果と実際の落石履歴データから,ロジスティック回帰分析を用いて推定した.経済損失は,物的損失,人的損失,迂回損失,救急医療損失,孤立集落損失の5種類として,各斜面の落石に起因する経済損失を評価した.落石発生確率と経済損失の評価結果より,各斜面のリスクを算出し,得られた結果を分析した.得られた結果は,現実との整合性が確認され,対策順位等を検討する上で有益な情報であることを確認した.