2012 年 68 巻 2 号 p. 92-108
本論文では,道路トンネルを対象としたアセットマネジメントの精度向上を目指し,ライフサイクルコストの算定に包摂されるリスクの曝露とその評価を研究対象としている.中でも,道路トンネルにおける覆工コンクリートのはく落現象に着目し,そのリスクを評価するためにはく落リスク変動モデルを提示し,その特性を示した.
変動要因の影響分析を行った結果,年平均はく落リスク,年平均はく落発生確率,衝突確率,迂回確率,人身損失および救急医療損失が,ライフサイクルコストの算定に大きく影響を及ぼすことが明らかとなり,それらに比べて交通規制と点検条件は比較的影響が小さいことを明らかにした.