土木学会論文集F4(建設マネジメント)
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和文論文
鋼材腐食ハイブリッド劣化予測とフォルト・ツリー分析を用いた長大橋の最適点検間隔
貝戸 清之金治 英貞杉岡 弘一大石 秀雄松岡 弘大
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2013 年 69 巻 2 号 p. 84-101

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抄録
 本研究では,ライフサイクル費用とリスク費用の総和で定義されるトータル費用最小化に基づき,長大橋の最適点検間隔を決定するための方法論を構築する.具体的な劣化事象として鋼材腐食に着目する.はじめに,腐食理論式を用いて,部材ごとに鋼材腐食過程のサンプルパスを発生させ,同時に構造解析により腐食量の限界値を算出する.つぎに,サンプルパスの荷重平均に基づく腐食統計モデルを定式化し,それを目視点検データで修正するようなハイブリッド劣化予測手法を提示する.さらに,この劣化予測結果に基づき,1)ライフサイクル費用,2)フォルト・ツリー分析による落橋相当リスクの発生確率およびリスク費用を算出し,最適点検間隔を決定する.最後に,提案手法を実際の長大橋の点検間隔の決定問題へ適用し,その有効性を実証的に検証する.
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© 2013 公益社団法人 土木学会
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