抄録
原材料価格の変化等により建設資材物価も時に大きく変動する.建設事業ではこの建設物価変動リスクの取り扱いが事業の健全性を大きく左右する.特にPFI事業では,入札から資材調達までの期間が一般的な建設請負事業に比べ長く,官民が分担するリスクの影響はより大きい.本研究の目的は,建設資材の物価変動リスクの合理的な官民分担のあり方の議論に資するため,ケーススタディーを通してリスクの定量分析を行い,知見を得ることである.まず,各種経済指標の時系列データに基づいた主要資材の価格形成モデルを導き,時系列分析,モンテカルロシミュレーションを組み込み,建設事業費の変動を分析した.そして,日本の一般的なPFI事業スキームのモデル事業に本システムを適用し,建設物価に関するリスク分担の現状の課題を計量的に明らかにした.