抄録
舗装の補修に関しては,舗装工学の知見を基盤として,その施策が計画,実行され,現場管理者の長年の経験やノウハウを反映する形で継続的に改善がなされる.そのため,舗装補修施策の妥当性を科学的に検証することは困難である.路面性状測定車の開発などにより,高速道路では膨大な量の路面性状値が蓄積されつつある.本研究では,膨大な調査データを用いて路面の供用性曲線と期待寿命を統計学的に推定するとともに,実績値との比較を通して舗装補修施策を評価するための方法論を提案する.具体的には 1)高機能舗装化が進む路面管理のための評価指標,2)路面性状調査間隔,3)補修サイクルの妥当性に関して,NEXCO西日本関西支社管内全域を対象として,路面の期待寿命と実績寿命との比較を中心に考察を加える.