2016 年 72 巻 4 号 p. I_145-I_154
国土交通省では,公共事業の調査・計画,設計,施工,維持管理の各過程において扱う,あるいは作成される3次元モデルを一元的に共有,活用,発展させることにより,建設生産システムにおける各過程での諸課題を解決し業務の効率化を図る目的で,CIM(Construction Information Modeling/Management)の導入の検討を行っている.
筆者らはCIMを築堤事業の施工段階に適用した試行工事を担当し,その試行工事において発注者・施工者以外の第三者の支援により3次元モデルの作成・修正を実施した.本稿では,その試行工事における3次元モデルの作成・修正に関する業務フローについて報告するとともに,その試行工事の結果を踏まえ,CIMを適用する場合において第三者を導入する必要性,導入する場合における第三者の位置づけや役割,運用上の課題について,述べるものである.