近年,大規模な土工構造物が地震等により甚大な被災を受ける場合がある.被災によって遮断された交通機能は早期に回復することが求められ,復旧には被災現場の状況に応じて交通機能を効率よく且つ迅速に回復できる工法の選定が必要とされる.現場の実態調査から,被災現場では大型土のうを用いた応急復旧の採用が多く見られる.大型土のうは現場の状況に柔軟に対応でき簡易的に復旧可能であることから多くの被災現場で採用されていると考えられる.しかし,従来の大型土のうは仮設構造物であるため,本復旧の際には撤去作業が必要となり,本復旧が完了するまでには時間を要する.被災した土工構造物を効率的に本復旧するためには,大型土のうを用いた応急復旧盛土をそのまま本復旧として活用することが有効であると考えられる.
本研究では,道路盛土災害事例から崩壊形態や現場の制約条件による復旧対策手法等について分析・整理するとともに,応急復旧として活用の多い大型土のうに着目した復旧モデルを考案し,大型土のうを用いた復旧盛土の本設構造物としての適用性について,動的遠心力載荷模型実験及び実大実験を実施し,変形挙動や施工性等を確認・検証した.
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