抄録
本研究は,生活満足度等の主観的指標による社会資本整備の評価を行う際に,複数断面のクロスセクショナル調査における分析方法について検討を行うものである.主観的な評価指標は,その背景となる個人の属性や様々な観測困難な要因によって変動することが知られているため,それらをコントロールしたサンプリングが望ましい.しかしそのようなサンプリングは現実的には期待できないことが多く,属性分布等の差異を考慮したうえでの比較を行う必要がある.本論文では,事例研究として山梨県内でDRT導入があった地域の3回にわたる意識調査で得られた主観的意識評価を,傾向スコアを用いて地域と時期の調整を行って生活満足度の変化を比較した.その結果,統計的な有意性に違いがでることを明らかにした.