抄録
道路の維持管理業務委託において,民間事業者の創意工夫を引き出すためには,維持管理業務のパフォーマンスに応じて,サービス対価を支払う方式が有効だと考えられている.一方で、民間事業者のエージェンシー・スラックを防止する必要がある.本稿では,道路PPP事業のアベイラビリティ・ペイメント方式で適用実績がある支払減額メカニズムに着目し,その適用可能性と条件を検討した.民間事業者に業務遂行のインセンティブをもたせることができる条件を,プリンシパル・エージェント問題の観点から分析した結果,発注者の裁量である支払い減額倍率を適切に設定することで民間事業者のスラックを抑制し、維持管理のパフォーマンスを向上させる可能性があることが示唆された.