土木学会論文集F4(建設マネジメント)
Online ISSN : 2185-6605
ISSN-L : 2185-6605
特集号(論文)
居住誘導施策による下水道既存インフラ資産の改築更新に与える影響の把握と汚水処理の持続可能性確保に向けたマネジメントに関する研究
宮原 慎中村 憲明塚原 健一秋山 祐樹
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_120-I_131

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抄録

 人口減少社会の中で、都市の行政効率の維持、災害の未然防止などの観点から、全国400都市で立地適正化計画の策定が進められ、うち154都市で市街地を縮退し居住を誘導する区域(以下「居住誘導区域」という。)の設定が進みつつある。本研究では、この居住誘導区域から除外された区域(以下「居住誘導区域外」という。)について、既に整備されているインフラ資産のうち、人口減少の影響が著しい資産と考えられる下水道管きょに着目。下水道の整備が概成し、居住誘導区域の設定が行われている都市を対象に、居住誘導区域外の下水道管きょの改築更新に替えて代替手段の導入が可能か、費用比較することによって検証を行った。

 その結果、立地適正化計画に基づき居住誘導を進めることによって、人口減少が見込まれる居住誘導区域外については、代替手段導入が有利となるケースもあり、各都道府県で策定済みの汚水処理システムに関する都道府県構想の見直しや、下水道管きょに係る中長期のストックマネジメント計画の策定に当たっても一定の検討の必要性を示すことができた。

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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