2019 年 75 巻 2 号 p. I_200-I_211
日本の社会資本整備は,施設の老朽化,整備財源の不足,高齢化社会の進展と若年労働者の減少,地球温暖化の影響と思われる自然災害の激化等,多くの困難に直面している.この困難を克服するためには,建設業従事者の動機付けを向上させることが不可欠である.本稿では,業務にICTを主体的に導入することによって,業務生産性の向上と社員の仕事への動機付け向上を実現している徳島県牟岐町の(株)大竹組,北海道奈井江町の(株)砂子組,金杉建設(株)を選び,後者の要因を調査・分析した.その結果として三社では,①社員の多くは,総体的に高い内発的動機付けを有している,②内発的動機付けを高める三要素である自律性・有能感・関係性を向上する方策が「企業文化」として根付いている,③自律性の支援連鎖(サポートチェーン」)を上手く機能させている,④社員の内発的動機付けの向上には,ICTを始めとする新技術導入は大きな役割を果たしており,それに際して,三社とも適切な,しかし独自のリスクマネジメントを実施している,と考えられた.